【ホタル撮影】蛍の撮影に挑戦!撮影方法のまとめ

徳島県の勝浦町にホタルの撮影に行ってきました。

ホタルは見るだけでも楽しいですが、撮影すると楽しさ2倍!

カメラでしか捉えられない、ホタルの光跡を形にのこしてみませんか?

撮るあほうに見るあほう♪
おなじあほなら撮らなそんそん!
やっとさーやっとさ!!

ゲンジボタル 徳島県勝浦町(撮影日: 6月10日)※少し時期が遅かったです。
一週間くらい早ければ何千ものホタルが飛んでいたと地元の方から聞きました。

ホタル撮影に必要なもの

一眼レフ・ミラーレスカメラ

エントリー機で大丈夫です。APS-Cカメラ、フルサイズカメラどちらでも撮影できます。

キットレンズでも撮影できますが、ホタル撮影は真っ暗な中撮影するので、開放F値の明るいレンズ(F2.8~F4.0以下)の広角レンズ、標準ズームレンズがオススメです。

三脚

ホタル撮影はシャッターを数秒間開けて撮影します。

手持ち撮影では確実に手振れするので、三脚は必須アイテムです。高価なものは必要ありません。

ヘッドライト

赤色のライトがあるもの。ライトの使用は必要最小限に!

ホタル撮影の現場は真っ暗です。足元を照らす時に便利です。

ホタルへの影響をできるだけ軽減するために、赤色のライトを発光できるヘッドライトがオススメです。

レリーズ

ホタルの撮影では、シャッタースピードを遅くし連続撮影します。

シャッターボタンを押した振動で生じる振れを防ぐために、レリーズがあれば便利です。

また、ホタルの数が少ない時に飛んでくるタイミングに合わせて座りながら遠隔でシャッターを切れるのでなにかと便利です。

肉眼でホタルの鑑賞も楽しみやすいです。

レンズのフォーカスを固定するテープ

フォーカスがずれないようにテープで固定します。養生テープが剥がしやすく、べたつかないのでオススメ。なければ何でもOK!

長袖長ズボンで虫よけ

ホタルの生息地は蚊など虫が多いです。

虫よけスプレーはホタルに害のため、長袖長ズボンで虫よけ対策を!

ホタルが出現する時期・時間帯・気候

  • 平均的な時期:5月下旬~6月上旬(ホタルの生息地、気候による)
  • 時間帯:19:30頃
  • 気候:じめじめとして蒸し暑く、風のない日
  • 新月あたりの日(満月に近いと明るすぎてホタルの光を撮影しにくいです)

ホタルの種類

ホタルの種類は主に3種類あります。

それぞれ光の放ち方が違うので、写真の雰囲気もガラッとかわります。

  1. ゲンジボタル
    1. 特徴:黄緑色の強い光。光跡が線になります。
  2. ヒメボタル
    1. 特徴:黄色い光。光跡が円形になります。
  3. ヘイケボタル
    1. 特徴:黄緑色の弱い光。光跡が線になります。

ホタル撮影の大まかな流れ

ホタルの撮影は、全く同じ構図で写真を複数枚撮影します。

その後、Photoshopという編集ソフトを使用して、全く同じ構図の写真を複数枚重なり合わせ、比較明合成させ、1枚の写真に仕上げます。

比較明合成とは、写真の明るい部分だけを選んで合成してくれます。(後述)

~大まかな流れ~

  1. 明るいうちに構図を決める(決まったら動かさない!)
  2. 日が暮れ、薄暗く夜の雰囲気になったら、ホタルの背景を撮影しておく。
  3. 真っ暗になり、ホタルが現れたらホタルの撮影開始!
  4. 家に帰って、Photoshopで❷で撮った背景+ホタルの写真を複数枚選び比較明合成する。

ホタル撮影前の準備 ~STEP① 明るいうちにすること~

ロケハン(大事!)

明るいうちに現地入りし、撮影場所の下調べ。(とても大事!)

暗くなってから撮影場所を探すのは至難の業。暗闇のなか彷徨うことになります。(経験者は語る)

また、ホタルは移動します。当日の出現場所を地元の方などに確認するためにもロケハンは重要です。

記録方式をRAWデータで保存にする

RAWで撮影しておくと編集ソフトで編集しても画質が落ちません。

カメラが自動で編集(JPG撮影)してくれる作業を、撮影後手作業で編集する感じです。

AF補助光OFF

シャッターを半押しした時にカメラのボディーから出る光です。

光はホタルに有害です。

手振れ補正OFF

三脚に固定して撮影する際は、手振れ補正はOFFにします。

レンズによれば、レンズの側面についているスイッチ(OPTICAL STEADY SHOT)で切り替えれます。

カメラを三脚に固定して撮影する場合、手振れ補正をONにして撮影すると、誤補正を起こす可能性があり、逆にぶれます!

アクセスランプをテープで隠す

アクセスランプとは、SDカードへの読み込み、読み出し中や、削除中、データ転送中などに点滅する赤い光です。

ホタルにとって有害な光りです。

テープで貼るなどして隠しておきましょう。

ホタルの背景の撮影 ~STEP② 日の暮れ初め~

日が暮れ薄暗くなったら、ホタルの背景になるベースの風景撮影を開始します。

  1. 三脚にカメラを固定
  2. この時に構図を決定します。(動かさない!)
  3. オートフォーカス(AF)にして、風景の主役になる場所にピントを合わせ、A(絞り優先)で風景を何枚か撮影。
  4. 撮影が終わったらピントが合った状態でオートフォーカス(AF)からマニュアルフォーカス(MF)に切り替えます。
  5. フォーカスがずれないようにテープで固定します。

<ホタル撮影時のカメラの設定>

 フォーカスオートフォーカス(AF)
 露出モード A(絞り優先)
 ISO感度 100
 F値 F8.0
 撮影モード ドライブモード(1枚撮影)

絞り優先モード(A)

絞り優先(A)でホタルの背景を撮影。

ISO感度100

ISO感度は一番画質の良いISO100で撮影を初めてみてください。

ISO感度とは、電子的に光量を増幅させる指標です。つまり、自然光ではありません。

ゆえに、ISO感度を上げすぎるとノイズが目立ち、ザラザラとした画質になります。

露出アンダー(暗すぎる)場合はISOを少し上げて調整してください。

「ISO感度」についてはこちら!

F値(絞り)8.0

F値とはレンズに入る光量を調節する指標です。風景の撮影の場合は、F8で撮影を開始してみてください。

F8は一番画質が良いと言われています。

また、ホタルの背景の撮影のように、一様にピントを合わせたい場合はF値の数字を大きく(絞る)して撮影します。

F値の数字が小さい(開放)と明るくなりますが、ピントの合う領域が狭くなります。

「F値」についてはこちら!

マニュアルフォーカス(MF)に切り替える

風景の撮影が終わったら、オートフォーカス(AF)で合わせたピントをマニュアルフォーカス(MF)に切り替え、フォーカスが動かないようにロックします。レンズにロックスイッチがない場合は、テープで固定。

これでホタルの光跡撮影の準備完了です。後はたくさん出現するのを祈るのみ♪

  • 暗くなるとオートフォーカス(AF)は機能しません!また、マニュアルフォーカス(MF)で自力でピントを合わせようとしても、暗すぎて至難の業です。
  • 必ず明るいうちにオートフォーカス(AF)でピントを合わせておき、忘れないうちにマニュアルフォーカス(MF)に切り替え、スタンバイすることを強くオススメします。
  • マニュアルフォーカス(MF)に切り替えるのを忘れて、暗くなってからオートフォーカス(AF)のままシャッターを切ってしまうと、フォーカスがずれます!!

ホタルの光跡の撮影 ~STEP③ 日没後ホタル出現~

いよいよホタルの光跡の撮影です!

STEP②のカメラの設定を一部変更します。

ホタルの光跡撮影時のカメラの設定

設定ホタル風景撮影時ホタルの光跡撮影時
 露出モード    A(絞り優先) M(マニュアル露出)
 ISO感度 100 1600
 F値 F8.0最大まで開放(F2.8)
 撮影モード ドライブモード(1枚撮影) インターバル撮影
 シャッタースピード ー8秒~10秒

マニュアル撮影(M)

  1. マニュアルモード(M)でF値の数字を一番小さく(開放)にし、シャッタースピードを8秒~10秒に設定します。
  2. ISO感度は1600くらいで撮影してみて、光跡が暗すぎる場合はISO感度をあげて調節してみてください。
  • 開放F値が2.8よりも暗い(数字が大きい)レンズの場合はISO感度を上げて撮影。(ホタルの光跡が暗い場合はISOを上げて調節してください。)
    • ex) F値4の場合ISO感度3200、シャッタースピード8秒~10秒
    • ex) F値5.6の場合ISO感度6400、シャッタースピード8秒~10秒

インターバル撮影

インターバル撮影とは、あらかじめ何秒間隔で何枚撮影するかを設定しておくと、シャッターを一度押すだけでカメラが自動で連続でシャッターを切ってくれるモードです。

  • インターバル撮影切➡入
  • 撮影開始時間➡1秒
  • 撮影間隔➡3秒
  • 撮影回数➡30枚

※撮影者の好きな設定でいいと思います。

ホタルがたくさん出現している場合は、インターバル撮影で撮影することをオススメします。一度シャッターボタンを押すと後は放置しておくだけなのでとても便利です。のんびりホタル観賞を楽しめます。

ホタルの数が少ない場合は、ホタルがフレーム内に現れたらシャッターを押す方が逆に効率がいいです。ホタルがフレーム内にいないのにインターバル撮影で何枚も撮影しても意味がないです。

もちろん、ホタルがたくさんいても一枚一枚シャッターを切ってもOKです。

レリーズのシャッターボタンを押して、ロックします。インターバル撮影時は設定した枚数をカメラが自動で撮影してくれます♪

あとは肉眼でホタル観賞を楽しみましょう♪

※レリーズを持っていない場合

カメラのタイマーを2秒に設定します。(シャッターボタンを押した時に起こる振動を防ぐため)

背景の明るさの微調整

  • 街灯や月明りがあり、背景が明るくなってしまう場合は、シャッタースピードを速くする。
  • 逆に十分に暗い場合は、ホタルの光跡を切らさないようにシャッタースピードを遅くする。

★ F値とISOを固定して、シャッタースピードのみを変更することで、背景のみの明るさを調整できます。シャッタースピードを長くすることでホタルの光跡が長く写り、逆に早くすることで、光跡が短く写ります。しかし、光跡の明るさは変わりません

「シャッタースピード」についてはこちら!

比較明合成とは

比較明合成とは、写真の明るい部分だけを選んで合成してくれます。

~比較明合成のイメージ~

上の3つの図を比較明合成すると、、、

図の明るい部分だけが合成されました。

Photoshopで比較明合成の手順

画像編集ソフト(Lightroom や Photoshop) でホタルの背景とホタルの光跡のRAW写真を編集し、JPGに書き出しておきます。

Photoshopに画像を読み込みます。

ファイル ⇒ スクリプト(R) ⇒ ファイルをレイヤーとして読み込み

ファイルを選択する。

参照から比較明合成させたい写真(編集してJPGで書き出した写真)を選択する。

レイヤーができました。Ctrl+Alt+A(Windowsの場合)/ Command+option+A(Macの場合) を押し全てのレイヤーをクリックし選択する。

通常をクリックし、、、

比較(明)を選択する。

すべての画像が比較明合成されました。

すべての画像を比較明合成してしまうと光跡が多すぎて、ぐじゃぐじゃになってしまうので、不要なレイヤーは非表示にします。

目玉をクリックすると目玉が消え、非表示になります。

再度クリックすると目玉が現れ、表示になります。

好みに合わせて微調整してください♪

完成したら、写真の書き出し保存です。

ファイル ⇒ 書き出し ⇒ 書き出し形式

形式:JPG

画質:高(7)

書き出しをクリックして完成です。

<合わせて読みたい!>

画像編集ソフトを使わない場合

ホタルの光跡撮影JPG設定時

※画像編集ソフトを使わない場合!!

ファイル形式JPG
 露出モード    M(マニュアル露出)
 ISO感度 1600
 F値 開放(最小の数字)
 撮影モード ドライブモード(1枚撮影)
 シャッタースピード 30秒

撮影場所の暗さによりISO感度とシャッタースピードを調節してください。

明るすぎる場合はISO感度やシャッタースピードを下げ、暗すぎる場合はISO感度を上げてください。

JPGで撮ると、撮影後の編集ができない(編集すると画質が落ちる)ので、一枚ずつ撮影し要チェック!(液晶画面の光がホタルに影響を与えないように黒い布などで覆って確認!)

PhotoshopやLightroomはお試し体験期間があり、無料で使えるので使用してみてください♪

画像編集ソフトを使わなくても光跡を撮れないわけではありませんが、写真の出来栄えがまったく違います

撮影後、自分好みにじっくり編集できるので、自由の幅が広がります。

ぜひRAWで撮影し、画像編集ソフトを使ってみてください♪

ホタル撮影時の注意事項(必読!!)

  • ライトなど人工の光はホタルにとって有害です!

ホタルは光ることによってオスとメスがコミュニケーションをとり、子孫を残しています。
懐中電灯、ヘッドライト、車のライト、スマートフォンなどの画面の光のはホタルにとって有害です。繁殖行動の妨げとなります。
ライトの使用は、足元を照らす程度の必要最小限に!ライトをホタルに絶対向けない!

  • ホタルを捕まえて持ち帰らない! 

ホタルは、年々数が減少しています。
地域の方が様々な工夫をし、ホタルの維持に尽力を注いでくれています。
決して捕まえたり、ホタルのいる茂みにむやみに足を踏み入れないようにしましょう。

  • 他の撮影者や鑑賞者に配慮を! 

ライトの使用は他の撮影者やホタルの鑑賞者の邪魔になります。
また、撮影に夢中になり、場所を長時間陣取らないように気を付けましょう。
マナーの悪いカメラマンが最近問題となっていました。
みんなが楽しく鑑賞できるように、周りへの配慮を忘れないで!

ホタル撮影のまとめ

<ホタル撮影前の準備 ~STEP① 明るいうちにすること~>

  1. ロケハン(撮影場所の下調べ)
  2. 記録方式をRAWデータで保存に設定
  3. AF補助光OFF
  4. 手振れ補正OFF
  5. アクセスランプをテープで隠す

<ホタルの背景 ~STEP② 日の暮れ初め~>

  1. 三脚にカメラを固定
  2. この時に構図を決定します。(動かさない!)
  3. オートフォーカス(AF)にして、風景の主役になる場所にピントを合わせ、A(絞り優先)で風景を何枚か撮影。
 フォーカスオートフォーカス(AF)
 露出モード A(絞り優先)
 ISO感度 100
 F値 F8.0
 撮影モード ドライブモード(1枚撮影)

<ホタルの光跡撮影 ~STEP③ 日没後ホタル出現~>

 露出モード    M(マニュアル露出)
 ISO感度 1600
 F値  最大まで開放(F2.8)
 撮影モード インターバル撮影
 シャッタースピード8秒~10秒
  • ※開放F値が2.8よりも暗い(数字が大きい)レンズの場合はISO感度を上げて撮影。
  • ホタルの光跡が暗い場合はISOを上げて調節してください。
    • ex) F値4の場合ISO感度3200、シャッタースピード8秒~10秒
    • ex) F値5.6の場合ISO感度6400、シャッタースピード8秒~10秒
  • 背景の明るさの微調節
    • 街灯や月明りがあり、背景が明るくなってしまう場合は、シャッタースピードを速くする。
    • 逆に十分に暗い場合は、ホタルの光跡を切らさないようにシャッタースピードを遅くする。

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※撮影現場は真っ暗なので足元にきをつけてね!

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