「写真撮りたいけど構図がよく分からない」「センスがない」と聞くことがあります。
しかし、少し意識するだけで初心者でもすぐに魅力的な写真を撮れる、構図の鉄則がありました!
見た瞬間に「おぉ~!」と人を引き付ける写真。
とっても憧れます。
高価なカメラで写しているから「魅力的な写真」ではありません。
魅力的な写真には魅力的に見える構図があります。
今回は「ナショナルジオグラフィック プロの撮り方 構図を極める」に記載されている構図の“3分割法(黄金比)”について実践してみました♪
美しく見える黄金分割(黄金比)とは?
黄金分割とは、最も美しく見える2本の線の配分のことです。
風景画なら、空と地上を2対1に分けて描く(あるいはその逆の1対2)。
同様に静物画なら、画面の3分の2に果物を、3分の1に器を描く構図です。
また、物体を二つに分けるときは、ぴったり半分ではなく、3対2の割合、つまり小さいほうを大きいものの3分の2程度になるように分けると美しく見えます。
これらも黄金分割が根拠です。
ダ・ヴィンチが黄金分割を厳密に適用してモナリザを描いたというのもうなずけます。
また、花びらの枚数など、自然界にも黄金分割と密接な関係があふれています。
<引用元:ナショナルジオグラフィック プロの撮り方 構図を極める P148>
構図に黄金分割の発想を取り入れるだけで、写真が見違えるようになるそうです!実際に意識して撮ってみました♪
写真撮影の基礎「3分割法」
多くの有名な画家や建築家など、何千年も前から「黄金比」としてとして取り入れている「3分割法」は、魅力的な写真を撮るためにも基礎となります。
光、影、形、色など、フレームに入れるものは何であっても、2対1の比率にした方が、等分で撮影するよりずっと魅力的な写真になるとのこと!
その「3分割法」のガイドとなってくれる線をカメラに表示させることができます。
「グリッド線」と呼ばれ、液晶モニターやファインダーをのぞいた時に表示される縦横の線です。
構図のガイド「グリッド線」
魅力的な写真を撮影するガイドとなってくれるグリッド線。
表示はON/OFF切り替え可能です。
昔はこのグリッド線がカメラになかったので、透明な紙などに自分で書いて液晶モニターに貼っていたそうです。
こんな便利な機能、使わないわけにはいきませんね!
ではさっそく実践だー!
黄金比「3分割法」を意識して撮影してみた
風景撮影での3分割法
地平線が構図のど真ん中になっている日の丸構図です。
空と地上の割合が同じ(1対1)。
ダイナミックさ、躍動感のない退屈な印象の写真になっています。
空のダイナミックさを伝えたいのか、地上の街並みを伝えたいのか、撮影者の意図が明確に伝わりにくい写真ではないでしょうか?
そこで、「3分割法」を意識して撮影してみました!
地平線を写真の下3分の1に入れました。
頂上からの景色は、街や人々がちっぽけに感じる一方で、空がとても広大で力強い印象でした。
そこで、写真の下3分の1は街並み、上3分2は空で構図を決めました。
メリハリのある、ダイナミックな写真に一瞬で変わりました!
ストックフォトでこの写真を販売してみると、なんと、売れました♪
今度は街を中心に撮影してみました。
ガラッと印象が変わりました。
写真の下3分2が地上、上3分の1が空です。
この地域の街の雰囲気がテーマに見えます。
撮影者が何を撮りたいか、何を伝えたいかで写真の構図が大きく変わり、写真の雰囲気もガラッと変わりますね!
ダイナミックな空の風景がテーマなら、写真2枚目。
地域の街の雰囲気がテーマなら写真3枚目です。
1枚目はどっちつかずで優柔不断なイメージに感じます。もちろんダメではありません。
構図に正解はないと思います。しかし、「二兎を追う者は一兎をも得ず 」
写真もそうなのではないかな。と思います。
ポートレートの3分割法
ポートレートなどでよくしてしまいがちな構図。
被写体を中央にドン。
主役だからと、真ん中に持っていきがちですが、写真にまったく動きが感じられません。
つまらない証明写真みたいです。
次に黄金比「3分割法」を意識して撮ってみました。
わんちゃんを写真の右3分の1に配置。
背景の黄色い紅葉を左3分の2にいれて撮影してみました。
一気に写真に奥行きが感じられるようにまりました!
写真をパッとみた瞬間、視線はわんちゃんにいきます。
そのあとゆっくりと左に移り、背景の鮮やかな黄色いイチョウの絨毯からイチョウの木へ。
結構満足した写真が撮れましたが、なんだかまだ物足りない気がする。
インパクトが足りない。。。
そこで2歩寄って撮影することに。
背景の余計な情報をカットしてみました。
2歩近づいてカメラを構える
ドドンッ!!
2枚目の写真の左側中央にあったグレーの石段と左手前にあった地面、右側の木をカット。
余計な色と情報が削除されたことにより、視線が迷うことのない印象深い写真ができました♪
シンプルイズザベストですね!
「構図の目的は、自分のメッセージを簡潔にはっきりした方法で伝えることにある。見る人があなたの作品に興味を持ってくれるかどうかは一瞬できまるのだ。」
<ナショナルジオグラフィック プロの撮り方 構図を極めるより>
身近でいうと、伝えたいことを短文で伝える「キャッチコピー」に似ているのかなと思います。
キャッチコピーはシンプルですが、人の記憶に残る強烈なインパクトがあります。
一方で、冗長な話や文章はまったく頭に入りませんよね。
写真も同じで、不要なものや情報を削り、作品の本質を作り出す。
簡潔で見た人の記憶に残る説得力のある写真をつくりたいですね♪
影を使った3分割法
光と影。
光と影も「3分割法」を意識して使うと面白い被写体になります!
なんとなく撮影した、ごろごろ転がったジャガイモ。
光と影がちょうど2等分されています。
カメラを構えたときは、なんとなく記録として写しておこうと適当にシャッターをきりました。
写真を見返していると、ふと3分割法を思い出し、トリミングしてみることに。
影が3分の1、光が3分の2の割合にし、周りの余計な情報も排除してみました。
するとどうでしょう。
ただの転がっているジャガイモから、美味しそうな食べたいジャガイモになったのではないでしょうか?
また、影を入れたことにより、写真にメリハリがでていますね!
2歩寄って撮るのも大事!
トリミングではなく撮影時に完成させておくのがベストだなぁ。
魅力的な写真の構図のまとめ
- ピッタリ等分に分けるのではなく、1対2(3分割法)を意識する。
- 風景なら地上と空が1対2(もしくは地上と空が2対1)
- 「何を伝えたいか」撮影の意図を明確にする。
- いつもより2歩寄ってカメラを構えてみる。
- 余計な色や情報は削り、作品の本質を作り出す。
- 1つの構図にこだわらず、色んな構図で撮ってみる。
「ナショナルジオグラフィック プロの撮り方 構図を極める」を参考に、構図について実践してみました!
この黄金比「3分割法」は、もちろん写真だけではありません。
ある日映画を見ていたときに、構図を意識して鑑賞してみました。
すると、ほとんど全ての映像が3分割法で撮影されていることに気付きました。
ぜひ映画を見る際は「3分割法」を意識して見てください♪
また違った視点で映画を楽しめるし、撮影者の意図が推測できて楽しいかも!
なによりプロが撮影した映画。とっても勉強になります!
奥が深い構図の世界。。。
いつもの見慣れた風景でも「3分割法」が使われているかも!
近くの建造物や物体に目を光らせてみてはいかがでしょうか♪
最後まで読んでくれてありがとうございました!少しでも参考になれば嬉しいです!
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